ぺんほる道

ペンホルダーについて語ります

私が単板にハマるきっかけを作った「ダーカー スピード70 10mm(特別選定品)」

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このスピード70は中古で手に入れました。単板の老舗ダーカーのラケット、しかも特別選定品です。写真ではわかりませんが、見事な柾目で檜の香りもまだ褪せていません。

単板と表ソフトの組み合わせは一般的に合わないとされているのですが、ラケットの組み合わせの合う合わないは個人の感覚なので常識に囚われてはいけません。かつては単板表ソフトのプロ選手もいました。

スピード70はスピードシリーズの中でも最速クラスのラケットですので、表ソフトで打球した時のスピードと球離れは申し分ありません。まるでスピードグルーを塗ったような爽快な打球感と単板特有の適度な球持ちの良さが非常にマッチした一品です。ただ10mmだと弾みすぎてしまい抑えが効かなかったので、9mmでも良かったかもしれません。

このラケットにハマってしまい、その後単板ラケットがどんどん増えていくのでした。。

 

ペンホルダーが普及するにはどうすれば良いのか。

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先日の世界卓球凄かったですね。日本は男女共に決勝進出!特に男子は39年ぶりの決勝進出でした。日本の卓球は一時は低迷していましたが近年は本当に強くなっています。

しかし、私には気になるというか不満点もありました。それはペンの選手が少ない事。私が観た限りではTV放送された選手の中でペンホルダーの選手は、黄鎮廷(香港)と許シン(中国)のたった2人だけ。男子の香港戦はBSだったので、実質地デジでは許選手のみが映った形になりました。

男子決勝の中国戦で初めてペンの選手を見る視聴者も多いと思い、どんな反応をするのだろうとツイッターのキーワード検索で簡単に調べてみたのですが、卓球に普段馴染みの無い方々の意見が現代卓球のイメージを如実に表していました。

  • ペンってまだ使われてたんだ。
  • なんでシェークをペン持ちしてるの。

うーん、中国式ペンを知らないのか。確かに自分が卓球を知らなかったら同じことを考えていたと思います。あと、「ペンってルール上使用可能だったのか」というのもあったような気もします。

現状ではこう思われてしまうのは無理もないですね。そこで、今後の国内卓球界でペンホルダーが普及するにはどうすれば良いのか理想論で考えてみました。

団体戦ペン選手出場ルールを採用する

ルールで強制的にペンホルダーの需要を発生させるパターンです。学生大会では過去に団体戦で必ず1人はペンの選手を入れないといけないというルールがあったそうですが今は無いようです。少なくとも私の現役時は知りませんでした。これはある意味諸刃の剣となるルールで、ペンの選手が少ないチームでのペンの選手は団体戦で勝つために集中的にトレーニングをさせられる事になり、強くなれる上に団体戦に採用されやすくなるメリットがある一方で、厳しいトレーニングや自分と周りの配慮の違いから来る人間関係に耐えられなくなりペンを辞めてしまうという大きなデメリットもあります。

このルールが復活したらペンホルダーの選手が大幅に増えると思いますが、卓球自体の人気が下がりそうでもあります。戦略的な理由から選手の意思が尊重されなくなりそうです。

ところで、全日本選手権の小学生の部では、各都道府県で数名ペンの選手用の出場枠があります。このような特別枠があると全国大会出場を狙ってペンホルダーになる選手が出てくると思いますが、こちらも本人の意思を尊重すべきです。

ルールを使う方法は、強制力で不自然にペンユーザーを増やすのでペンホルダーが絶滅したら復活の最終手段として使うべきだと思います。

初心者にペンホルダーを使ってもらう

アミューズメントパークの卓球場で遊んでいる人たちがペンを使っているのをよく見かけます。ペンしかないからではなくシェークでもペン持ちで遊んでいます。私はこの事から潜在的ペンユーザーはかなり多いのではないかと考えています。つまり、若者のペンユーザーが少ないと嘆いているのは競技卓球の世界だけで、競技卓球の入門者になりうる遊戯卓球のペンユーザーを引き込めばペンユーザー不足は解消するのではないかと思うのです。

もしあなたがペンユーザーだったら、これから卓球を始める人にペンホルダーをそれとなく勧めてください。もちろん本人の意向を尊重すべきですが、なんとなく選ぶよりは知っている人の勧めであれば選びやすいだろうし、何よりあなたがペンの使い方を教えてあげられます。

指導者がペンホルダーを使えるようになる

ペンホルダーを教えられる指導者が少なくなってきているようです。上記の初心者にペンホルダーを使ってもらうことに関連しますが、指導者の中にはペンホルダーの指導が出来ないので生徒をシェークに転向させている者もいるようです。これではペンホルダーが増えるわけがありません。

極論ですが、学校の顧問であろうが専門的なコーチであろうが、指導者という立場ならシェークもペンも指導出来ようになるべきで、無理なら他の人に頼むなり自分で勉強するなり工夫すべきです。自分の都合で生徒に影響を及ぼすのは言語道断です。

経済面で訴求する

裏面打法などを考慮しなければ、単純にペンはラバー1枚でプレーできます。シェークは2枚必要です。用具の値段が同じならペンの方がラバー1枚分安くなります。たった1枚分ですが、長年続けると大きな金額差になります。

しかも年々ラバーの値段が上がり続けています。今後も高くなることはあっても安くなることはないでしょう。私は表ソフトを使用しているのであまり交換頻度は高くありませんが、それでも昔のラバーの値段と比べてしまうとの購入をためらうことがあります。昔と比べ耐久性も上がっているとは思いますが、やはり非常に高いと感じます。

少々狡いですが、少しでもお金をかけずに長くプレーしたい人にはペンホルダーを勧めるのもアリだと思います。

サッカー×卓球=ヘディス!

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ペンホルダーとは全く関係ない内容ですが、「ヘディス」というちょっと面白そうなスポーツを見つけたのでご紹介します。

ヘディスって何だ?

最近、国内ではバブルサッカーなど新しいスポーツの人気がじわじわ出始めているようですね。「ヘディス」もそんな新しいスポーツの一つです。2006年にドイツの大学生がサッカー場が混んでいたので、仕方なくサッカーボールと卓球台でヘディング卓球をやったのが始まりです。すでにドイツ内では1000人以上の競技者がいて、大会も開かれているみたいですね。しかもブンデスリーガのサッカーチームの練習やスウェーデンの小学校の体育にも取り入れられているそうです。

ルールは1バウンド内リターンの11点先取ですが、ボレー可能という点が卓球のルールと異なります。

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台に乗り出すアグレッシブなプレーが多いですが、上手いプレイヤー同士だときちんとラリーが続いていますね。見ていて面白いです。ラケットを使わないので手軽ですが、フィジカル面のスキルが重要になってきますね。

卓球プレイヤーとしても今後注目のスポーツですね。

ペンホルダーのバックハンドはあなたが思っているよりも簡単に出来る。

初心者にペンが使いにくいと思われてしまう理由の一つにバックハンドが難しい点が挙げられます。確かにシェークなら肘さえ動かせばバックハンドがすぐ振れますが、ペンは面を出すために手首を捻らなければなりません。

とはいえ、よほど手首が固い人ではない限りペンでバックハンドが出来ない人はいないはずです。何かしらバックハンドが苦手になるような誤った打ち方をしているのではないかと思うのです。

ショート系技術が出来ればOK

ペンのバックハンドが苦手という人の中には、シェークみたいにバックハンドドライブやバックハンドスマッシュが簡単に出来ない、難しいという人もいるのではないでしょうか。でも私は出来なくてもいいと思います。もちろん強力なバックハンドが出来れば武器になりますが、試合での成功率は通常それほど高くはないと思います。

それよりも簡単で多用するショート系技術さえ出来れば十分得点出来ます。ショートが出来ればその応用で攻撃も守備も出来ます。腕を押し出せばプッシュ、勢いを殺して当てればブロックになります。上手くコースを突けば簡単に得点出来るでしょう。

このショート系技術を武器に戦うタイプは(右利き基準で)「右打ち左押し」と言われ、昔のペン速攻型の中国選手に多かったタイプです。現在ではペンユーザー自体が少ないですし、裏面打法が主流なので時代遅れと思われがちですが、現代も将来も立派に通用します。戦術の流行に敏感にならないといけないのはトップ選手だけです。

「右打ち左押し」のお手本としてはスペインに帰化した大ベテラン、何志文選手が参考になるでしょう。今なお中国伝統速攻で世界を相手に戦えていることを証明しています。ただかなりクセのある卓球をするので、あくまでバックハンド技術とコース取りのお手本として参考にしてください。

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ショートは正しいグリップが出来れば簡単

また、バックハンドが苦手な人は正しいグリップが出来ていないことが多いです。ペンユーザーにとっては当たり前ですが、簡単に出来るショートの基本グリップをご説明します。

まず、人差し指をコルクに引っ掛けて親指を挙げる。

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そして、手首を少し捻る。

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はい。簡単ですね。少し脇を締めると安定します。

全ては裏面の指の使い方にかかっている。

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この時、裏面の指の使い方が非常に重要です。三本の指を軽く曲げ、揃えるようにしましょう。こうすると指の微調整だけで面の角度が作りやすくなります。

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ペン初心者が指が開いたままでショートしようとするのをよく見かけますが、これだと面の角度が出しにくい上にかなり手首を捻るので非常にやり難いです。私だったら挫折してシェークに転向しています。

裏面打法を使っても良いのよ

現在はペンのバックドライブ・スマッシュはほとんど裏面打法になりましたね。

裏面打法なら簡単にバック強打が出来ますので、特にこだわりが無ければ取り入れるのも良いと思います。ただし、ラバーが二枚になった分重くなります。同じ重さのラケットでもシェークとペンでは体感重量が異なり、ペンの方がかなり重く感じられます。

私も何度も裏面打法を試したのですが、ラケットが重くて振り遅れてしまうのとバックをショートか裏面打法どちらで打つか一瞬迷ってしまうこと、裏面打法よりも片面バック強打の方が得意なので、結局片面ペンに戻ってしまいます。裏面打法憧れますけどね。

以上、バックハンドが苦手という理由でペンを諦めた人はもう一度チャレンジしてみましょう!

バーミンガム77の旧版と現行版を比べてみた。

みなさんご存知、河野満選手が1977年世界卓球バーミンガム大会で優勝した際に使用していたラケットをモデルにしたロングセラーラケット「TSP バーミンガム77」。独特のブレード形状で両ハンドプレーがやり易くて気に入っています。

このラケット、微妙に仕様変更されているので旧版と現行版を比較してみました。ただし旧版といっても既に何回かマイナーチェンジされてるので一世代前での比較です。

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左が旧版で右が現行版です。

生産国が違う

まず、打球面のプリントをよーくご覧ください。

お判りいただけましたでしょうか。旧版のTSPロゴの下に小さく"Made in Japan"と書かれています。現行版にはありません。そう、旧版は日本製で現行版は中国製なのです。決して中国製がダメというわけではありませんが、日本人世界チャンピオンモデルなので日本製を貫いて欲しかったです。

グリップの長さが違う

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現行版でグリップが長くなりました。速攻用ペンは切り替えしやすいように比較的グリップが短いものが多いのですが、なんで長くしたのでしょうかね。しかし重心が変わったのか持った時のバランスはなかなか良い感じです。

刻印が違う

グリップ側面の刻印が変わりました。旧版には左面に"TSP"、右面に"J.T.T.A.A"の刻印がありましたが、現行版では左面に"J.T.T.A.A"の刻印だけです。また、ネームシールが旧版では左面に現行版では右面に貼ってあります(写真のは剥がしてしまいました。)。たしか"TSP"の刻印はバーミンガム77に限らず古いラケットにしか刻まれていなかったように思います。

打球音が違う

ラバーを貼っていない状態で玉突きをしてみたところ、打球音が明らかに違いました。これは仕様変更なのか個体差なのか正直わかりません。旧版は「コンコン」というやや低めの音。現行版は「カンカン」という高めの音がしました。弾みはどちらも同程度、気持ち現行版のほうが弾むといった具合です。

以上、四つの変更点をご紹介しました。同じ名前のラケットでもマイナーチェンジすることがあるので、スペアラケットの購入はお早めに。